CAPTIVE Q&A

キャプティブ Q&A

Q%A1

キャプティブは海外では一般的なのですか?

はい、直近の「Captive Review誌 2018年5月号」によると、世界で現在、6,482社のキャプティブが実際に運営されているようです。このなかに、セルと呼ばれる分離勘定型の親子会社のようなキャプティブは含まれていませんので、それを入れると総数は1万社を超えると言われます。親会社の多くは欧米の会社でFortune 500 のうち8割の企業は何らかのキャプティブを持っているとされています。欧米の大企業にとって、少なくともリスクマネジメントを考える際にはキャプティブを検討するというのはいわば常識となっており、近年、逆に増えすぎたキャプティブをM&Aで整理する動きも出ているほどです。

Q%A2

日本ではあまり広まっていないような印象ですが?

日本では残念ながら、欧米諸国ほどキャプティブが浸透しているわけではありません。キャプティブを持っている日本企業は100社程度と言われています。リスクマネジメントという概念が広まってきたのは最近のことですし、特に日本では海外の保険会社(キャプティブ保険会社もこれにあたります)との直接取引が禁止されているため、どうしても日本の保険会社にいったん保険を引き受けてもらう必要があり、今までは一部の外資系損害保険会社を除いては、保険会社の協力を得ることが難しいという歴史的背景がありました。しかし、近年、保険会社での理解も進み、協力を得やすくなってきたため、今後は日本でも欧米並みの活用が期待されています。弊社の代表 折戸 雄が経済産業省のリスクファイナンス研究会委員の委嘱を受けてキャプティブについての研究会報告を行ったのが平成18年ですから、それから十年の月日が経って、ようやく浸透が見られだしたとも言えるでしょう。(この研究会報告は、現在も経済産業省のホームページで見ることができます。経済産業省/リスクファイナンスで検索してみてください。)

Q%A3

パナマ文章の問題もありましたので、
タックスヘイブン関連会社との取引はしたくないのですが?

日本企業が活用しているキャプティブの設立地(ドミサイルと呼びます)は、ほとんどがタックスヘイブンの国ではありません。そもそもキャプティブを使う目的は節税ではありませんので、その設立地もアメリカ合衆国(特にハワイ州)、ミクロネシア連邦、マレーシアなどが多く、現地に会社実体を持ち、現地税制に従って20%以上の法人税を納めるのが普通です。パナマ文書に出てくるようないわゆるペーパーカンパニーとは一線を画すものなのです。

Q%A4

海外子会社はグループ内にも既に保有していますし、
キャプティブは特に専門家に依頼しなくても
自社でできるのではありませんか?

キャプティブは通常の会社と違って、現地で保険会社として認可を受け、そのライセンスを維持・更新しなければなりません。そのために求められる書類や条件は様々で、監督官から要求があれば、すべてに答えていく必要があります。そのためプロフェッショナルの助言を受けることが特に重要だと考えております。キャプティブを理解している日本の弁護士や監査法人も少ないのが現状であり、日本で本当にこの分野のサービスを提供できる専門家も極めて少ないと言えるでしょう。テイクオフはその中でも特にキャプティブ設立・運営に長い経験と幅広い実績を誇っていますので、安心して相談いただけます。

Q%A5

海外保険会社の設立、運営にはかなりの費用と手間がかかるのでは?
当社にはそのようなリソースがありません

もちろん、キャプティブ設立・運営は簡単なものではなく経験とノウハウが必要な部分が多々あります。しかも、私たちのプログラムなら、費用・労力はきわめて合理的に抑えることができます。現地に社員の方を派遣する必要もありませんし、運営費用は受け取った再保険料ですべて賄われますので、設立後は本社から費用が発生することもありません。

Q%A1

リスクに備えるための内部留保もありますし、
引当金も積んでいます。なぜ、わざわざキャプティブ保険という
仕組みを使わなくてはならないのですか?

「内部留保」も「引当金」も会計上の概念であり、リスクに備えて使える資金ではありません。また、事業会社ではほとんどの「引当金」勘定は有税であり高率の法人税等を支払ったのちに積むことができるものです。世界的に見て、そもそも、保険会社とは、リスクに備えることを目的にする事業体であるため、会計上、税務上特有の利点を備えており、キャプティブという保険子会社をグループ内に作ることにより、その「システム」を取り込めるというメリットがあります。また、歴史的に見て世界には再保険マーケットがあり、ほとんどの場合は日本より安い料率で保険(再保険)を買うことができますが、このマーケットは保険会社だけのものであり、普通の事業会社は参加できません。そのため、自社事業としてキャプティブ保険会社を保有することで、その再保険マーケットの有利な保険(再保険)というリスクヘッジ手法の活用が可能となることもメリットの一つです。

Q%A1

なぜ、わざわざ保険会社の協力を得る必要があるのですか?
キャプティブも保険会社なら、直接取引したほうが簡単だし、
コストも安くなるのでは?

Q2でも説明しましたが、日本では保険業法により、海外保険会社の保険商品を日本の企業が直接買うことは実質的に制限されています。このために日本の保険会社(元受保険会社と呼びます)から保険を買い、それを再保険という形でキャプティブ保険会社に出再してもらい、キャプティブ保険会社でリスク(再保険)の引受を行います。従って保険会社の協力なしにはこのプログラム運営をスムースに行うことは望めません。しかし、元受保険会社の保険を買うことにより、保険会社の査定機能(保険金の支払い水準の合理的な算定)を活用できるばかりでなく、特に保険会社が持つ社会的な信用力を手に入れることができます。(すなわち、保険を買っていることへの安心をアピールできます。) また、全体として透明性を高めたプログラムの構築・運用が可能となります。テイクオフでは、これまでの様々な経験に基づいて保険会社との交渉においても*「的確な支援」と助言を行っています。 *テイクオフではキャプティブ助言サービスとの利益相反行為となる、保険代理店の資格を保有せず、お客様サイドからの立場を厳守。具体的な保険への助言は有資格の代理店・ブローカー等と連携して行います。