優れた製品の標準仕様化にともなって、急速に巨大化するリスク。本案件では、米国自動車メーカーに、幅広く採用された「自動車乗員保護システム」の普及に伴って急速拡大する製造物賠償責任(PL)及びリコールリスクの保険化、キャプティブプログラム化を支援。
本案件では、施設管理事業スタート後から、経年的に増加する原状復帰費用の保険化およびキャプティブプログラム化を導入。国内初のプログラム化となった、この案件は保険料ベースで数年間のうちに、10億円規模にまで発展している。
【適応業種】各種保証が必要な事業やサービスにおいて、保険化という手法を組み入れることにより、信用力の付保(補強)が可能となる。即時収益化してしまうフィー収入発生時と保証義務発生時の間のタイムラグをキャプティブプログラムを活用して埋めることによって、収支バランスを安定化。財務上の優位性が生まれる。
建築工事などの請負契約において、建物の完成・引渡し後に工事内容に瑕疵(外部から容易に発見できない欠陥)があった場合に、買い主は施工者に対して瑕疵補修、損害賠償などの請求をすることができる。本案件では、キャプティブを使った瑕疵担保責任への対応プログラム化を国内初で具現化。構造や機能など、可視化と予測が困難なリスクに対する財務的に有利で安定度の高いソリューション組成となった。
【適応業種】瑕疵担保責任は一般的に下請け、孫請け業者に及ばないとされるが、業者選定時の評価基準として、瑕疵担保責任能力を問われるケースも多い。ITシステムの設計・開発においては、代表的なハード・ソフトウエアの設定、プログラミングミス等も瑕疵担保責任に問われる事例もある。
IT技術の進展、ネットワーク化により、一般的に保険化困難リスク(Uninsurable risk)とされてきたサイバーリスクに対応するために保険プログラムを活用。経年的なキャプティブファンディング(自己資金積立)と再保険カバーの比率をきめ細かく見直し、変更していくことによって、コスト/効率の高いリスクソリューションシステムを構築していく。
例えば、医療機関における診療報酬レセプトのような、一般的に保険では対応できないファイナンスリスク(収支タイムラグ等)をキャプティブプログラムを活用することで安定化させ、財務的な対応力の強化を図る。
地震に代表される自然災害リスクの場合、既存の損害保険によるカバー範囲は、物損に対する補償が中心で補償額も決して十分なものとはいえない。さらに、生産拠点へのサプライチェーンの崩壊等が重なれば、復旧稼働までの期間における機会損失額は莫大なものとなっていく。このようなBCP(Business Continuity Planning)不能状態に備え、事業会社の財務保全をキャプティブプログラムによって実現する。